<前へ


「基金」発会式前後

 

 募金           M.Y.  1999、4、19

 ビデオ遅くなり本当にすいませんでした。精力的に活動なさっているようでなによりです。私はなにもできないのですが、同じような状況の方をはげますことはできると思います。そのようなかたがいたらご連絡ください。「せきずい基金」は目的が明確でとてもいいと思います。企業から募金をもらうことはまずいのですか。金額の目標値が高いのでなにか収益事業ができるといいとおもいませんか。

                   藤木 to M.Y.  1999、4、21

 M.Y.様 お気になさる必要は、まったくありません。本来ならばいつまででもよかったのですが、偶然にも私のビデオテープをみたいという人が出てきてしまったものですから。私のほうこそ催促がましいことを申し上げてしまい、申し訳ないと思っています。

 企業から、募金をもらいたいのです。今年中には、NPOの認可のための申請書を提出します。NPO法人になって、早急にお金を集めたい。現在のように役員の自己負担が長く続くと、実際に動いてくれる人が減ってきてしまう可能性があるので怖いのです。現在収入源は、役員が毎月のように行っている街頭カンパや、年間100万円くらいの助成金です。企業から募金をもらえるようになれるお知恵を貸して下さい。

 人工呼吸器使用者の交流会について     藤木 to T.K.  1999、7、2

 T.K.様のことは、Kさんのお母さんより、何度かお話を伺ったことがあります。私たち「日本せきずい基金」としては、現在はどのようなことをできるか、模索中であります。とりあえずは、呼吸器を利用している人の情報を収集して、問題をあからさまにしていきたいと考えています。また、先輩の呼吸器利用者の素晴らしい対応方法などを、必要な人に提供できればと考えています。障害が重くなればなるほど情報が必要なのにもかかわらず、日々の介護の忙しさなどのために情報を集める時間を作れないのが現状だと思います。

 そこで交流会を開催して情報交換ができればと企画しました。1200部ほど発行した会報ですが、賛成の回答が事務局に寄せられましたのは、提案者も含めて3件です。おそらく事務局に返事をくれる時間もないほどに、日々の介護に疲れているのだと想像しています。 

 今後私たちはT.K.さんのご質問に答えられるように、いただきましたメールを数名の呼吸器利用者に送ってみます。それから協力して下さる医師などにも相談してみるつもりです。解答が出ましたら、メールをします。

 呼吸器利用者の交流会開催を、これからも何度か呼びかけるつもりです。

               

 貴重なメールを印刷

   藤木 to 松井、古跡、M.Y.、中山、T.K. 1999、8、11

 呼吸器利用の皆さんと松井先生へ 今まで呼吸器利用の皆さんから、何度かメールをいただきました。本日も広島の古跡さんから貴重な内容のメールをいただきました。

 これらのメールを情報不足の呼吸器利用者が読めれば、役に立つと思います。

 そこで皆さんに了解を得たいのですが、事務局に送られてきたメールを呼吸器利用の人に送ってもよろしいでしょうか。パソコンを使えない人には、当方で印刷して送ります。当然内容によっては他の人には見せたくない部分もあると思いますので、そういう部分には但し書きをしていただければ、そのような扱いをします。また、匿名の扱いもいたします。

 一家総出で発会式に出席            古跡  1999、8、23

 10月2日の「日本せきずい基金」発会式の件ですが、一家総出(本人、妻、母、中3長男、中1長女、小5次男)でお伺いしようと思います。なにしろ高校の修学旅行以来東京へおじゃましたことがございませんので、地理もホテル・宿泊施設・移動方法についてなにも情報がありません。9月3日金曜日妻が仕事の関係で上京いたします。もしよろしければそのときに妻と会って相談にのってもらうことはできないでしょうか。

 時間・場所・連絡先・TELをメールしてください。

 一貫した医療システムの必要性     藤木 to 中山  1999、9、7

 すでに「日本せきずい基金」会報が届いていることと思います。10月2日のイベントでトークセッションを行います。そこで皆さんのご意見を発表していただき、私たち全員の問題として一緒に考えられればと思います。マスコミ等にも取り上げていただき、改善への第一歩にしたいと思います。

 当日参加できない方は、原稿だけ送っていただければ、それを代読したいと思います。匿名等の希望があれば、そのようにしたいと思います。

 私たちの意図は以下のようなものですが、中山さんが言いたいことをご自由にお話しください。

 サブタイトル「呼吸器利用者でも在宅生活を可能にする21世紀の社会福祉」

 急性期からの一貫した医療システムの必要性を主張したい。事故直後から社会生活を送るまでの一貫したシステムは、現在の日本にはない。カナダなどにはせきずい損傷医がいて、一貫した医療システムが完備している。私たちの主目的は、この一貫した医療システムの必要性を主張し、その確立を目指すことである。

 日本の呼吸器利用者には、発声のための訓練を受けられる場所がない。在宅生活を始めれば、痰の吸引をできるのは家族だけにかぎられていて、ヘルパーには頼めない。自立生活を始めれば、週に2回くらいしか来てもらえない訪問看護婦さんにしか摘便を頼めない。そのため、生活の質の向上が阻まれていることなど……個々の問題は数え上げたらきりがないが、個々の問題からシステムの問題へと発展させたトークセッションにしたい。

 損保会社は研究費の援助を            T.K.  1999、9、23

 10月2日の会に参加したいと思っていましたが、ちょっと難しそうです。

 また、トークセッションで話していただく内容も、藤木さんが提案してくださっているもので、充分良く考えられていてとてもいいものだと思いますので、新たに私から提案することはありません。

 「急性期からの一貫した医療システム」を本当に望んでおり、カナダなどに完備しているシステムがどんなものか、また、せきずい損傷医は日本のリハビリテーション医とどんな点が違うのか等、教えていただければと思います。

 弟の場合、まだ治療途中という段階ですので、呼吸リハビリ、排泄の管理なども、最新で最善の療法は何かということを知りたいのです。

 藤木さんが、「基金」の事業内容で掲げていらっしゃる「総合脊髄情報センターの設立」を早急に実現していただいて、常に新しい情報が発信されればと思います。

 この情報化の時代、日本全国どこにいても最善の治療が受けられるよう適切なケア・システムを発信するセンターの設立は不可欠と思われます。

 受傷直後から適切な処置、リハビリを受けてればもっと回復の度合いが良かったのにと思われる例はたくさんあると思います。

 医療過誤の訴訟が多く報道される今日、そういったセンターは医師の側からも望まれるものと思われますし、いっそうの回復と自立生活は医療費、福祉費用の削減を考える行政サイドも早急に取り組むべき問題ではないかと思います。

 また、交通事故が、脊髄損傷の受傷原因の多くを占めるようになってきた昨今、損害保険会社の保険金支払額は多大なものになっていると想像されます。もし、損傷脊髄の再生が可能になれば、損害保険会社が支払う保険金はいちじるしく減少することは間違いありません。そういった意味で、損害保険会社が神経再建の研究に資金援助することは、きわめて意義のある投資だといえると思います。研究費の資金援助を損害保険協会、保険会社に持ちかけてはいかがでしょう。

 クリストファー・リーブの基金と連携が取れるのであれば、マスコミ、保険会社としても話題性もあり話が進みやすいのではないでしょうか。

 10月2日のイベントが成功裡に終わることを期待しています。頑張ってください。

 また、デンマークでのパラプレジア学会の際の報告書の、化骨の項を見せていただきたいのですが、英語が分かりませんので、どなたか訳していただける方はいらっしゃらないでしょうか。

 それから、ホームページの「なぜ基金が必要か」の項目に書かれている《海外では人工呼吸器を使用しながら大学に進学し、卒業後、常勤の職業を持ち、結婚生活まで可能にしている例もあります》という方の、日常生活について詳しく書かれたものなどがあれば、それも弟の参考に見せていただければと思います。

 基金を情報センターに

                   T.K. 1999、9、25

 センターという建物がなくても、比較的早くできることがあります。それは、患者のデータの集約です。松井先生があちこちの患者さんを訪ねていろいろな症例をみていらっしゃいますが、先生が廻りきれない方、もしくは脊損協会も、頸損連も、日本せきずい基金も、はがき通信も知らないでいる患者、医師に対してどう情報を収集し、提供していくか。それは、日本全国の病院のネットワーク化です。

 事故等で、脊損患者が発生したらすぐ、そのデータ集約のセンターに連絡が入り、逐一症状の報告がなされるようにする。同時に、最善の処置法についてのアドバイスが病院側になされる。こういった患者のデータは集積され、より良い治療法が構築されていく。と、いうのが私の提案なのですが、夢物語でしょうか。

 今まで、研究者は自分のいる病院の中の患者だけのデータしか取れなかったのが、動かずして多くの症例を得ることができるのですから、研究に費す年月が短縮されます。大学病院等で、こういった研究をしていらっしゃる先生を藤木さんご存じありませんか? そういう方がいらっしゃったら、話は早いと思うのですが。

 もう一点ですが、英文の翻訳、M.Y.さんにお願いできないでしょうか。受傷なさる前は、お仕事で英語を日常的に使っていらっしゃったとか。しかも、頸髄損傷者自身であれば、この怪我に関係のない人よりも翻訳には適していらっしゃるかと思います。

 大盛況の発会式

          藤木  1999、10、4

 M.Y.様 「日本せきずい基金」発会式は、無事に終わりました。200人以上の満員になり、大盛況でした。「再び歩く!!」というテーマに対して、一石を投じられたと思います。後日、資料等をお送りいたします。

 本日は、英文の翻訳をお願いしたくてメールを書いています。6月にデンマークで開催されたパラプレジア学会の資料です。体調のよい時を見計らって、翻訳作業をお願いします。「日本せきずい基金」の資料として、多くの人に提供できればと考えています。時間はいくらかかっても大丈夫なものですから、くれぐれも、お身体に差し障りのないようにゆっくりとお願いいたします。

 発会式の模様がテレビに           古跡  1999、10、5

 下記のようなメールが久留井真理さんから届きました。他にも会社のパートのひとから「古跡さん見たよ!」だって。あーーーーーー気の小さい僕だからうれしいやら、恥ずかしいやら!?

 「たまたまお昼のワイドショーを見ていたら、サッチーとミッチーの次に、こっこっこっせきさんがいるじゃありませんか! サッチーとミッチーでかなり力が入っているところだったので、一瞬、反町かと思った(^▽^; お疲れ様っ!)     

 Stand up 21 お疲れ様でした          T.K.  1999、10、7

 2日はお疲れ様でした。盛会で、元気な人、一生懸命な人にお会いできて、行って良かった。

 はがき通信でおなじみの「がべちゃん先生」も、すごい人だなと思っていましたが、実際にお目にかかってますます好きになりました。

 古跡さんも、奥様もお母様もとっても一生懸命で、ご苦労されたこともお伺いしてみんな乗り越えてきた道なんだな、と思いました。まだ1年余りのうちなんか“ひよっこ”です。

 でも、一人一人が初めてのことにぶつかって、それぞれが苦労しながら解決していくのは、大変です。また、それ以外にエネルギーを費やさなければいけないことが多すぎますので、できれば、経験者の知識を蓄積し、よりスムーズに、より良いシステムを作っていくことが必要ではないでしょうか。

 「日本せきずい基金」は、事務局というかどんなメンバーで構成されているのですか? 質問とかあったら、すべて藤木さんが答えていらっしゃるのですか?

 治療法や病院、在宅・自立生活支援等、いくつかの部門を作って、ホームページ上で質疑応答できるようにしたらいかがでしょう。Kさん、Fさん、Mさん……豊富な知識をお持ちの方はたくさんいらっしゃいますね。中山功太郎さん、古跡博美さんも、私たちにとっては、人工呼吸器使用者の先輩としてとても素晴らしいアドバイザーになってくださることと思います。

 もちろん「はがき通信」でも質問に対して答えが寄せられたりしていますが、インターネット上でないため返事をもらえるまで時間がかかったり、個別になったりします。できれば、メーリングリストなどしていただければと思います。

 帰りの新幹線の中でいただいた冊子を読んで愕然! 臓器再生のお話はいまひとつ分からないのですが、「7.脊髄神経に歩くことを教える」以降です。会場に来ていたNさんのお話もそうですが、リハビリによってこんなに違うものなのでしょうか。Kさんのお母さんによれば、Kさんも立つ練習もしていらっしゃるとか。ぜひ、ぜひ、こういうリハビリに取り組むPT、OTの先生がふえていってほしいと思います。日本のどこかで実践されていないんでしょうか、こういうリハビリ。

 私の知っている何人かのPTの先生にこの記事を読んでいただきたいので、この冊子が残っていたら数冊送っていただけませんか。私は、まだまだあきらめたくありません。そして、日本の病院で最新で最善の治療に対する充分な説明がなされていない以上、こうして自分たちで情報を収集するしかないんです。ほんとに知らないことが多すぎます。

 人手がほしい!           藤木  1999、10、8

 T.K.様 「日本せきずい基金」の理事は、8人くらいいます。しかし大半が障害者であったり、仕事を持っていますので、思うような活動ができません。事務局は、私のアパートです。毎晩メールを15通くらい書いて、郵便物を10通くらい作成しています。アルバイトの学生に月に4万円分、働いてもらっています。それ以外は、「日本せきずい基金」の理事でもあり私の専従介護者でもある笹というものが、対応しています。全国からの電話の問い合わせなどは、平均5〜10本くらい毎日あると思います。

 早いうちにきちんとした事務所を構えて、専従の職員を雇いたいと思っているのですが、資金に余裕がありません。システムつくりが必要です。

 豊富な知識をお持ちのかたにホームページ上で答えていただくというご提案ですが、そのようにしていきたいと思います。具体的に何人かにお願いしたのですが、「時間がない、パソコンができない」などの理由によって、まだうまくいっていません。誰か実際に引き受けてくれる人がいましたら、ぜひご紹介ください。

 呼吸器利用者のネットワークを創ろうとして、数人のかたの了解を得たのはご存じのことと思いますが、そのネットワークに付随するさまざまな作業をしてくれる人が見つからなくて困っています。心当たりの人にお願いしたのですが……やはり断られました。早急に人を探したいと思います。T.K.さんにお願いできれば、ありがたいのですが、いかがでしょうか。


<次へ